TOPに戻る

強化サスの功罪 2004/03/06(Sat)

スポーツ走行(サーキットといった方が良いかも?)をしようとすると、すぐバネレートの高いスプリングに交換することや強化スタビの採用を考えるでしょうが、はたしてそれでいいのだろうか?
スポーツ走行で、ブレーキを残しコーナーに入るということがありますが、これは車の荷重移動を利用しグリップを高めるためのテクのひとつです。
これは、前輪にしっかりと加重し、より大きなコーナリングフォースを得るため良く使われていると思います。
荷重とグリップについては、「私のミニ日記 2004/01/29(Thu)」に記載済みです。
下記も併せてご覧下さい。

路面の衝撃を防ぐスプリングも強化すれば、前後の荷重移動が小さくなりますし、車体のロールを抑えるスタビを強化すれば、左右の荷重移動が小さくなります。
荷重移動が小さくなればタイヤに対して加重が小さくなる訳で、期待するグリップが得られなくなってしまいます。
このように強化したサス・セッティングの場合、タイヤのグリップ性能に頼ることになり、スリックタイヤを使用せざるを得なくなるでしょう。

FF車において、一般的に後輪のバネを硬くしているのは、加速時において荷重が後輪側に移動し、前輪のグリップが低下するのを防ぐためのものです。
また、後輪のスタビだけを強化した場合、前輪に比して後輪のグリップが小さくなりオーバーステア、スピンという現象が起きてしまいます。
前輪のスタビだけを強化した場合はもちろん上記の逆の現象が起きることになります。
このように荷重移動は車にとって、とても重要な運動要素のひとつです。

サスを強化する場合、走りの場面に合わせ全体のバランスを取りながら、また程度を考えながらやる必要があることは言うまでもありません。やるなら徹底的に、あっちこっち中途半端にするならやらないほうがまだ良いと思うのです。