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タイヤのバネ 2005/03/22(Tue)

年度末の時期ともなりますと、至る所で道路工事をやっています。
削った所と、オーバーレイした所で段差が出来る訳ですが、こういう所を走ると前足はかなり大きくストロークします。
お尻が浮いたり、シートのクッションを押し込んだりもします。
そんな訳で足回りのバネについて考えてみました。


波長10m、振幅20cmの路盤を時速50Kmで走行した場合、約1Gの力が掛かります。
MINIの場合前輪に720Kg,1輪当たり360Kg荷重されていることになります。
標準のスプリングのバネ定数は3.0Kg/mmですので約12cm変位することになります。

8cmの変位でバンプラバーに当たってしまうMINIにあっては変位が制限されていまいます。
制限されるとタイヤとマウントインシュレーターに衝撃となって作用します。
ショートストロークサスの場合は、より軽い条件でも同様の現象が発生します。

そして、その力はボディで受け止める訳ですが、そのモノコックボディに於いて力が集中する部分にはその力を分散させる為スティフナ(補強材)を入れます。
ロアリンクの支点部にはメンバーが入っているので良いのですが、力が集中するストラットタワー部には要注意です。

MINIに採用されているサイド補強型のランフラットタイヤは空気圧がゼロになってもペシャンコにならず、ある程度(100Km程度)走行が可能です。
ペシャンコにならないということは縦方向の強度があるということであり、硬いバネということです。

国産車に比して緩衝ストロークの短いMINIはバネ定数も高いもの(硬いバネ)を使っています。
そうしないと、限られたストロークでエネルギーを吸収出来なくなります。
Cooperに比較してOneの車高が高いのは、乗り心地をソフトにする為に緩衝ストロークの確保が必要だったのです。

MINIの社外スプリングには標準よりバネ定数が低く、ストロークの短い(車高を落としたもの)ものも少なくありません。
タウンユース程度ならさしたる問題が生じないのかも知れませんが、1G程度(良く起こり得る)の加速度を生ずるような走りをした時は突き上げが発生します。

ランフラットの硬いタイヤならその衝撃はアッパーマウント側に集中し、さらにはそれを支えるストラットタワーにも影響を与えてしまいます。
最近耳にするアッパーマウントのクラックや、その付近のトラブルも緩衝不足(バネが足りない)に原因があるかもしれません。
BMWが採用している安全靴(ランフラットタイヤ)はいろんな処に悪さをしていると思います。
以上は全て私の推測ですであしからず・・・。

そこでBMWに敢えてお尋ねしたい!
「ランフラットタイヤを履いて、20万Kmの悪路耐久走行試験やりました??」

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