日本通信がSIMロックフリーのiPhone4端末を

SIMロックフリーiPhone 4用に、ドコモ回線が利用できるSIMカード提供する日本通信が分割払いによるSIMロックフリー版iPhone 4の販売を始めたようです。

これまで、国内でiPhone 4を購入するには、ソフトバンクが携帯回線とセットで販売するSIMロックあり(日本通信、ドコモなど他社のSIMは利用できない)のiPhone 4しか選択肢がありませんでした。どうしてもSIMロックフリーのiPhone 4がほしければ、香港など海外で購入するか輸入業者を通して購入する形になり、かなり敷居が高かったのです。

今回、回線を提供する日本通信が自ら端末の販売(分割払い対応)に乗り出したことで、より気軽にSIMロックがないiPhone 4を購入できる状況になったと言えるでしょう。ただ、通常の携帯端末だと、一定期間の契約を条件に端末の購入代金を割り引く割引制度(購入支援金)があったりしますが、そうした設定はないようです。

これで、SIMロックフリー端末を買うことで(原理上)自由に回線を選べるように……はなるのですが、どうも料金を考えてみると「得」になるのか、かなり微妙かもしれません。

日本通信で二年間の分割でiPhone 4本体を購入する場合、パケット定額(データ通信の料金上限固定制)とセットで毎月9510円とされています。一方、ソフトバンクでiPhone 4を二年間の分割払いで購入し同じく2年間の携帯契約を結ぶと毎月のコストは6000円程度です。
つまり、純粋に「二年間データ通信回線とセットでiPhone 4を使う」場合、ソフトバンクの方がずっと低コストなのです。端末の価格が圧倒的に安く設定されている上に、(二年契約と引き換えに)月々割りという割引制度で最大1920円の割引があるのが大きい。

もちろん、日本通信のSIMロックフリー版iPhone 4なら、エリアが広く安定した通信が期待できるドコモの回線が使える、デザリング(iPhone 4をモデムとしてパソコンのネット接続に使える)が可能、といった利点はあります。ただ、逆に言えばこうした特徴が「利点」になる人でなければ、割高な買い物になってしまう可能性が高いのです。
通信速度についても、300Kbps程度の帯域制限がかかる場合が多いようですし。

2年間iPhone 4とデータ回線を利用した場合の総額は、ソフトバンクが約14万円、日本通信だと約23万円です。10万円近い差なんですよね。もちろん、支払いが終わった後に残る端末はソフトバンクだとSIMロックありになってしまうわけですが、二年後のSIMロックフリーiPhone 4にどれだけの価値があるでしょうか。

注目を集めるSIMロックフリーiPhone 4。別に高価な買い物をしなければならなかった状況から、「本体の分割払い+月々の通信料金」という通常の携帯感覚の料金体系になったのは魅力でしょう。

ただ、複数の機器をドコモの回線につなげたい、という人でなければ、コスト面から見てちょっと手を出しにくいかもしれません。多少速度は低くてもドコモの回線に(iPhone 4を通して)パソコンやスマートフォンを接続したい、という人にとってはドコモ本体のパケット定額より上限価格が低い分それなりに「お得」ではあるのですが。


プログラマの雑記帳