色数計算の高速化
ビットマップの色数計算のプログラムは、色数を数えるのに時間がかかるため色が増えてくると実用的とは言い難いものでした。そこで、今回はもっと高速な方法を考えてみる事にします。
フラグによる画像の色数計算
今回は、フルカラーの224色それぞれに「フラグ」を用意します。つまり、224個のフラグを用意して、表れた色をそこに記録して行く事で色の数を数えるわけです。例えば、フラグ配列をf[224]とすると、表れた色clに対応するf[cl]を1にする事になります。このようにしてフラグを立てて行くと、最後に立っているフラグの個数で色がわかる事になるでしょう。
単純に考えて、Byte配列fColors[224]をフラグ配列とすると、ビットマップlpBMP(dwWidth×dwHeight)の色数を数える関数は以下のようになります。
DWORD count(void) { /* ビットマップ内のに対する色数を数える */
DWORD i,j,dwCount=0,dwPixel=0;
LPBYTE fColors;
/* フラグ配列用メモリを確保 */
fColors=GlobalAlloc(GPTR,256*256*256);
for (i=0;i<dwHeight;i++)
for (j=0;j<dwWidth;j++) {
/* (j,i)の色をdwPixelに32ビットで格納 */
CopyMemory(&dwPixel,lpBMP+j*3+i*dwLength,3);
/* フラグのdwPixel番を検査 */
if (fColors[dwPixel]==0) {
/* フラグのdwPixel番を立てる */
fColors[dwPixel]=1;
dwCount++; /* 色数カウンタ更新 */
}
}
GlobalFree(fColors);
return dwCount;
}
ただ、考えてみるとフラグは「あるかないか」だけですから、1ビットで良いんですね。上のプログラムは、実に16MBものメモリを取っていますが、本当に必要なのは16MBit、と。フラグを立てる時にも、何バイト目ではなく何ビット目、という指定をすれば良いでしょう。
では、フラグのnビット目をフラグ配列で探すにはどうすれば良いのでしょうか。フラグ配列はByte型なので、一つ8ビットでした。ですから、まずnビット目のフラグはn÷8バイト目にある事になり、さらにn÷8バイト目のn mod 8(nを8で割った余り)ビット目がフラグのnビットに対応する事になります。
フラグ内のあるビットが立っている、という事はそのビットだけを1にした数値との論理積が0でない、という事と同値である点に注意すれば、バイト型フラグ配列(ってのも変な表現ですが。要するに連続したフラグ領域ですね)fColorsのnビット目が立っているかを調べる判定文は以下のようになるでしょう。
if ((fColors[n/8] & (1 << (n % 8))==0)
色を数える時は、まず対応するフラグを見てこの色が出てきているかを調べます。そして、もしこれまでに出てきた事がなければ、フラグを立てて色数カウンタを増やします。
DWORD count(void) { /* ビットマップ内の色数を数える */
DWORD i,j,dwBit,dwByte,dwCount=0,dwPixel=0;
LPBYTE fColors;
fColors=GlobalAlloc(GPTR,256*256*32);
for (i=0;i<dwHeight;i++)
for (j=0;j<dwWidth;j++) {
/* (j,i)の色をdwPixelに32ビットで格納 */
CopyMemory(&dwPixel,lpBMP+j*3+i*dwLength,3);
/* dwPixelビット目の位置を計算 */
dwByte=dwPixel/8;
dwBit=dwPixel%8;
/* フラグ領域のdwPixelビット目を検査 */
if ((fColors[dwByte] & (1 << dwBit))==0) {
/* フラグ領域のdwPixelビット目を立てる */
fColors[dwByte]=fColors[dwByte]|(1 << dwBit);
dwCount++; /* 色数カウンタ更新 */
}
}
GlobalFree(fColors);
return dwCount;
}
プログラム
24ビットフルカラービットマップをウインドウにドラッグ&ドロップするか「読み込み」ボタンで読み込むと、そのビットマップ内の色数を数えてウインドウのタイトルバーに表示します。速度的には、ほぼ問題はないでしょう。メモリも2MB使いますが、少なくとも今のパソコンなら問題にならないですね。