純子のお部屋


10月22日

結局、イエメン生活は2ヶ月のみで、アラビア純子は、今、ジョルダンに移ってきました!
長い間、更新しないですみません。お返事も遅れてます、ごめんなさい。

さて、ジョルダンに移ってからというもの、私は、毎日心を痛めている。
それは、パレスチナの「インティファーダ」が再び繰り返されているからである。

パレスチナ放送では、連日の様に、ガザでの銃撃戦に巻き込まれ、亡くなったムハンマド・ドゥッラ君(13歳)の映像や、撃たれて意識不明の若者、イスラエル兵に棒で叩かれている女性、イスラエル兵に引っ張られた挙げ句、 銃で叩かれている若者、ミサイルを撃ち込まれた子供の部屋、担架で運ばれる女性、老人・・・・・の映像が 延々といろんな歌手の歌のバックミュージックで流されている。

特に、衝撃的だったのは、銃撃戦の中、父親の背後でおびえきり、泣き叫び、その後、撃たれて亡くなる運命のムハンマド君の映像だった。

ムハンマド君の、お父さんやお母さんのインタビューを見た。

お父さんは、現在、ジョルダンの病院で治療中で、両足、左手を撃たれて、もう歩けない状態だと言う。自分は助かったけど、子供を失った心中は、計り知れない。

お母さんは、「あの子は、元気に朝ご飯を食べて出かけていったのに・・・・」と言葉にならない。

ここ、ジョルダン、特にアンマンでは、パレスチナ人の割合が多いためか、金曜日の礼拝後、デモが行われていたし、道路のいろんなモノが壊されたり、アメリカ大使館では、いつも装甲車が常駐し、バリケードが張り巡らされている。

隣人のジョルダン人(でも元々はシリア人)の家に遊びに行った時、丁度、この映像が流れていた。
みんな食い入る様にテレビを観ながら、「ハラーム!、ハラーム!(禁じられた事、という意味だが、イケナイ事という意味で使われている)」と言い続けている。

私は、一般に新聞やテレビで言われているような政府の見解ではなく、一般人がどう思っているのか、興味があった。

「ハラームばかりな出来事だけど、解決策は、ないのかな?」

『解決策なんてないよ』

「じゃあ、パレスチナとイスラエルが戦争すれば、いいと思う?」

『いや、マリク・アブダッラー(アブダッラ国王)だって、戦争は望んでおられないし、私たちだって、みんな、戦争なんて望んでない。ただ、やりきれない想いで一杯なだけ』

これが、一アラブ人の正直な想いだろう。

私もやりきれない想いだ。

アラブのミュージックテープを買おうと思って、たまたま入ったお店のキャッシャーの所に、ムハンマド・ドゥッラのテープが山積みにされていた。
しかも、テープの表側には、あの亡くなったムハンマド君が撃たれる前に、お父さんの後ろで泣き叫ぶ姿、必死にドラム缶の後ろに身を隠すムハンマド君とお父さん、そして、撃たれた後、お父さんが放心状態になっている姿の3段階に渡る写真が載っており、それらを囲んで、パレスチナ人の血の涙の絵が描かれているものだった。
このテープを買いに行ったのは、ムハンマド君が亡くなってから、3週間後のことである。その素早さに驚きながらも、このテープを買うと、パレスチナに寄付が出来るらしく、思わず、買ってしまった。

それから、この前、世界各国が開いているチャリティーバザーに行って見たとき、パレスチナのブースがあった。
パレスチナのブースで買ったものは、パレスチナに寄付されると訊き、早速パレスチナ刺繍の敷物を購入した。

私に、今、できることは、これぐらいだと思うから。


前のがみたいよ〜ってな方は こっち