純子のお部屋


10月31日

学校の授業で『男女の平等について』っていうディスカッションがあったんだけど、私を除いて、イギリス人5人が途中から英語で大討論を始めちゃって、私一人がボ〜ゼンとしてて、先生のマハー(24歳、独身)も『あんたたち、ちゃんとアラビア語でしゃべりなさ〜い!!』って言葉もむなしく、英語の討論会と化してしまった。ふ〜。イギリス人って言っても、3人は純粋なイギリス人でクリスチャンなんだけど、2人はインド系とパキスタン系のイギリス生まれでこの2人はムスリム。しかも、毎日モスクへいってお祈りするし、「カートなんかハラーム!!」って豪語するほどの真面目なムスリム達。
討論の原因は、『イギリスでは、今、現在では男性がいわゆる「主夫」をやる人が増えていて、自分も、もし奥さんが働いて稼いでくれれば、自分は「主夫」でもいい』という意見をイギリス人のゲヴィンがだしたことから始まった。
しかし、ムスリムの彼等はその意見に納得できないのか、インド系ムスリムのアブドルバーサルが「でも、ず〜っと昔のイギリスでは、キリスト教も関係ない時代には、女性の方が実権を握っていて、何をするにも女性が強かった。結婚するのだって女性の方の承諾を得なければならなかった。今はその時代に戻りつつあって、男性が弱くなってしまった。イスラームでは、男性と女性は昔から変わっていない」という意見をだしたもんだから、興奮した3人が「でも、イスラームの前の時代はどうだったんだ?」とか言い出したから、 もう、授業ははちゃめちゃで、ついには、「クリスチャン対ムスリム」の大討論会になってしまい、何がなんだか判らんってジョータイ。私一人、「今、現在の男女の平等について討論しているのに、そんな昔のこともちだしても、しょーがないのになぁ〜」って思いつつ、後でゆっくり考えて見ると、ハッとしたことがあった。それは、やはり私って宗教心が薄いんだなぁってこと。今まででも、そのことは日々の細かいことでよく感じる。
それに、クリスチャンの彼等のムスリムに対する態度はかなりヒドイ。授業を受けていても、クリスチャンの彼等はどっかムスリムを小馬鹿にした態度を示す。ムスリムの彼等は子供の頃からコーランをアラビア語で読んでいたので、意味は判らなくてもコーランを丸暗記している。だから、アラビア語の上達が早い。 readingなんかは、ものすごく上手だ。ペラペラ読める。でもクリスチャンの3人は、大学に入ってから始めたので、当然、レベルに差がでてくる。それが悔しいのか、ますます、彼等のムスリム2人に対しての風あたりは強くなる。なんだか、彼等が一緒のクラスじゃまずいんじゃないかって懸念してしまうぐらいだ。
例えば、ムスリムの2人はものすごく授業に対しても真面目で、予習、復習もおこたらないんだけど、授業中に的確な答えをしたりすると、クリスチャンの彼等は「けっ。くそおもしろくね〜な」ってなことをつぶやいたりしている。何か真面目にやっていることに対して、小馬鹿にした態度がありありなのだ。
ムスリム2人も、真面目にやって何が悪いって感じだから、ますます悪循環だ。
それに、一番、ヒドイって思ったのは、学生同士のパーティーには一切、ムスリムは招待されなかったのだ。そんななかで部外者的存在の私は、そのパーティーには招待された。会場についてみて、ムスリムが一人もいないことに驚いた。
この根本となっているものはもちろん、宗教がすくなからず関わっているんだと思うと、宗教心が薄い私には到底理解できないものがあるんだろ〜なって思う。しかし、このままでいいんだろ〜か?って部外者ながらホントに懸念してしまう。同じアラビア語を勉強しているもの同士の彼等でさえこうなんだから。私がどうこうできることじゃないけど、これは傍で見ていても悲しくなる。でも、実際に接してみると、クリスチャンの彼等は優しいし、考え方もシッカリしている。だから余計に、どうして、宗教がからむと鬼みたくなってしまうのだろ〜かって思ってしまう。
授業が終わった後、私の意見を聞けなかったといって居残らされて、先生のマハーに「日本では、今、どうなっているの?」って尋ねられた。「ちょっと昔の日本は、今のアラブと同じような感じだったけど、今は、日本でも「主夫」になっている人がパーセンテージは少ないけど増えているよ」というと、彼女はとても驚いていて、「たとえ、女性が働いていても、男性が働かないで家事しているなんてものすごく変!!お互い協力するってのなら判るけど、男性が家事だけしているなんて〜!!」という意見だった。そう、今のアラブで、女性が稼いで、男性が主夫をするなんてこと信じられないだろ〜なってことは容易に想像できる。だって、イスラームでは、身体的にも能力的にも、男性は男性がもともと持っている能力に応じたことを、女性は女性の能力に応じたことをすべきって教えがあるからね。でも、これはすぐに「男女差別だ〜!」って騒がれるんだろうけど、当のムスリムにとってはそれが当り前すぎて、「差別」という発想は浮かばない。それを「差別」と考えてしまうのは、ムスリムにとっては大きなお世話だろうな。現に仕事を持っているマハーだって、「結婚したら、仕事はやめるの?」って聞いてみたら、「それは今は、答えれない。結婚してもダンナさんが協力してキチンと仕事と家庭を両立している人も友達には沢山いるけど、それは、結婚してみないと判らないでしょ?」って言われた。こういう考えが例えバリバリ働いていてもイエメン女性はそれが普通なのだから。



10月28日

イエメン人(特にサナアニー)は英語って全くといっていいほど通じない。ホテルとか観光地とかでは通じることが多いけど、それはホンの一部で大抵はタクシーの運ちゃんも、ダッバーブのおじちゃんも、スークのおじさんもスーパーの店員さんだって通じない。だから必然的にイエメンで生活していくにはアラビア語を話せないと何にもできない。
だけど、そんなサナアニーでも唯一知っているのが、「 How are you? How old are you? what’s your name?」ぐらいだ。ところが、イエメニは面白いことに『R』の発音をわざわざ発音する(しかも巻き舌入りで)のだ。つまり、「 How are you? 」は『ハウ、ァラ〜、ユゥ〜?』、「How old are you?」は、『ハウ、オールダァラ〜、ユゥ〜?』、「 What’s your name?」は『ホワッツ ユラ ネーム?』ってぐあいになる。最初は変な感じがしたけど、私はこのサナアニーの英語が最近とってお気に入り。あんまり町を歩いていて、英語で話しかけられたりはしないけど、たま〜にこういう英語を使われると嬉しくなってしまってニタニタ笑いながら歩いているぐらいだ。(←相当ヘンな人??)
他にも例をあげると、「モーターサイクル」は『モータルサイクル』、「アパートメント」は「アパルトメント』、「ユニバーシティー」は『ユニバルシティー』、「ナンバーワン・ハンバーガー」を『ナンバルワン・ハンバルガー』と教えてくれた人もいたなぁ〜。
それに、アラビア語には『P』の発音がないので、「ペプシ」は『ベプシ』、「パキスタン」も『バキスターン』・・・・って感じ。一番面白いって思ったのは、お父さんってアラビア語では「アブー」なんだけど、自分のお父さんを呼ぶときは、子供はみんな「パパ」って呼ぶ。しかし、それも『ババ』になっちまうのが一番ウケタ。
最近は、このアラビア語なまりの英語が耳についてしばらく離れない。



10月23日

やっと休みで嬉しい〜〜!新しいクラスのイギリス人5人衆は、すでに大学で1年間アラビア語を勉強してきているので私よりもずっとアラビア語ができるのに、なぜかそういう人達と一緒のクラスになっちゃって、毎日、彼等に遅れないよ〜についていくので精一杯。ハッキリいって落ちこぼれジョータイなの。だからがんばんなきゃいけない。今まで以上にた〜いへんで非常に疲れてます。

よもぎさん から『ちゃあさん の「カタールを語る」読ませていただきました。ナンパの話、おもしろかったです。電話番号のメモを落としたり、ちゃんとしたボードを掲げたり、なんか、和歌を贈って思いを伝えた平安時代のような優雅さを感じますね。電話料金が無料というのも初めて知りました。二カーブやヒジャーブで顔を隠し、髪を長ーくした女の子たちというのも平安時代の貴族の女性を彷彿させます。決して古いとかいう意味ではなく、優雅さを感じたのです。しかし、子連れのお母さんはお化粧バリバリで太ってしまうというのは、結婚前はよほど我慢しているのでしょうか。気持ちはわからないでもない気もしないでもない・・・』というメールをいただきました。ありがとう〜!平安時代のような感じというのは、今まで思ったことがなかったのでこの感覚はとても新鮮でした。

さて、隣人Bの家に招待されたときのことです。そこの家はお父さんが亡くなっているが、元外交官で日本にもいたことがあるという家。私のことを通りで見かけて、「日本人と話たい、ぜひ、家にお昼を食べに来てくれ」と言われたので、遊びに行くことになった。昼食は牛肉とピーマンのチンジャオロース風、ゴハン、インドネシア風サラダ、モロヘイヤスープをいただいた。イエメン人の家庭でこういうインターナショナルな食事は始めてだった。なにせ、日本から送られてきたおせんべいをいつも遊びに行く隣人Aにおすそわけしたのだけど、「ま、まずい・・・」って顔をされて一口以上食べてくれない。それにノリつきのしょうゆせんべいだったんだけど、そのノリがなんだか判らなくて、それをはがして食べようとしていた。「それも一緒に食べるんだってば〜」って言ったら、「コレって何??」って聞かれたんだけど、「海草」ってアラビア語しらなかったので「海にあるやつ」などと言ったら、ますます???ってな顔されてしまった。そしておそるおそるノリだけを口にしたんだけど、味がついてないやつだからまずかったみたいで、「まず〜」って顔されちゃった。それに隣人Aはサナアからでたことがないので「海」というのものもよく知らない。黒い物体だし、ペラペラしてるし、きっと、「なんて不気味なもの〜!」って思ったに違いない。
ちょっと話がずれたけど、そこの隣人Bは外交官の家のせいか、娘さん達も英語を割合と解するし、お母さんも喋れる。このお母さんの年代で英語を喋れる人ってサナアにはほとんどいない。日本にいたころの写真を見ながらお喋りした。
娘さんのサルマ(22歳)は、2年前に大統領のところで仕事をしている人と結婚している、かなりの美人で妙にいろっぽいし、スタイルもいい。週末の木曜日だけ、自宅に遊びにこれるらしい。金曜日はお義母さんと義妹と一緒にお昼ごはんを作ったりしなければならないので、木曜だけが彼女の息抜きの日みたい。
お義母さんと同居しているので『同居することについてどう思う?』って聞いてみると、『やっぱり、自分達の家が欲しいけど、今はダンナがお金がないし、実家は大きくて広くて立派なので、2〜3年後にお金がたまるまでの我慢なの』と言っていた。イエメンでは、日本よりも家が大きくて広いことが多いので、ダンナの実家に同居するパターンが多いようだ。
サルマの妹のマイサーは、18歳の高校生。キュートな感じでハキハキした喋り方をする。高校生なので、『大学には行くの?』と聞いてみると、『うん、大学へ行って仕事もしたい』と言う。『何かやりたいことあるの?』と聞くと、『数学が得意だから、そっち関係の仕事につきたいの。将来は秘書になりたいな』 『それなら、大学でコンピューターやったら?』『うん、やりたいの。今は学校でタイプの勉強をしているんだよ』って言っていた。
姉妹でも対照的な二人だった。一方は家庭に入っていて、一方は仕事をしていきたいって思っている。イエメンでは15歳ぐらいで結婚してしまうぐらいだから、女性はすぐに家庭に入って・・という感じだったのが、少しずつ変化しているのかもしれないね。



10月20日

学校の授業で何かテーマを考えてストーリーを発表するってのがあったんだけど、ロミオとじゅんこ2と一緒に行った温泉の話、題して『日本の温泉』ってな話をしてついでに、ロミオからイエメンに出発前日に貰った写真を見せたら、バカ受け!すっごく面白かったとイギリス人5人衆に言われました。改めてロミオありがとう!ところで、お〜い、ロミオ生きてるかぁ〜〜???

今日は、ご紹介したいメールばかりを集めてみることにしました!cheeseさんから『サブリの件の純子さん,すごいですねエ.そしてカッコいいですねエ.外国で暮らすには現地で喧嘩をするくらいにならなければ暮らしていけない,なんて聞きますけど。でも純子さんの場合とっても険悪な状態に感じられないんですよね。HPに出ているもの全部読ませてもらいましたが,なんていうのかその状態を楽しむ余裕といったらいいのか,底辺に流れているのが大らかなんですよね。これは外国で暮らすに必要なことなんじゃないか,と「純子のお部屋」を読みながら思いました。』とのメールをいただきました!ありがとう〜(うるうる)サブリの件では素敵な健さんおびえる健さんになってしまったよ〜なので、コレをイキオイでアップしてしまったのは、ちょっとだけ後悔してしまいましたが、cheeseさんのように思ってくれる人もいるんで一安心です。ま、サブリとのやりとりは、英語だったからああいう風に言えたよ〜なもんで、これが不思議と日本語じゃ〜言えなかったと思う(←ちょっと言い訳)それから『海外旅行をしていると宗教,民族に関わる戦争について考えさせられます。そして宗 教・民族の歴史を見ないで現在の問題を考えることは不可能だということ,また国が隣り合っていると平和の守り方も日本とは違うんだということも理解できます。日本は単一民族で島国なので統一しやすい国なんだなア.』という意見もいただきました。ホントにそのとおぉぉりでございます。これは私がいつも思っていることです。だから今、イスラエルに行ってみたいけど、行くのはアラブをさんざん廻った最後にしたいと思っているのです。だって、イスラエル(パレスチナ)は、私にとっては簡単に行ってはイケナイところなんですよね。歴史も知らずして行ってしまっては半分も見てこれないと思うし、もっともっと勉強してから行って見たい国です。

美奈さんからは、『あの「純子のお部屋」のスペインに行ったさとみんさんのお話。よく判りますね。私もいろいろな所に観光へ行ったけど、色々な国はそれぞれ、見るべきところを見て、感動して帰って来ましたが、イエメンは友達に「どこがそんなに良かったの」と聞かれても答えに窮していましたもんね。「兎に角、人が良かった」っていうのが、実感できたのは、イエメンが初めてだったもんで。旅行って、知識とか感動だけでなく、何て言うか心の奥底の方の人間的な部分を気付かせてくれる(あ、いや、元々持ってなかったかも知れないから、発見したと言うべきか)ことをイエメン旅行で初めて悟りましたねえ。なんちゅうか、ちょびっと世間や人が優しく見えるみたいな・・・』というメールをいただきました!そうだね〜、私も「イエメンのどこがいいの?」とか聞かれても、「う〜ん」って一言では答えられないんですよね。私は、旅先の遺跡や建築物を見るのも好きだけど、そんなに後に引かないっていうか、やっぱり、さとみんさんも言っていたよ〜に『人』でしょ〜ね。それにしても、美奈さんが、人間的な感動を初めてイエメンで悟ったんですね!やっぱ、そうでしょ〜?
現にアイさんからも『私も今年2月にイエメンに行ってきました。そのときのコースは、エジプトーイエメンーシリアーレバノンーシリアートルコーイランというかんじ。イスラムにはみんな怖いイメージを持っているみたいだけど、実際旅すると楽しいですよね。イエメンの良さはシリアに移動してから実感しました』と言っていましたし。どうして私がイエメンにきたのか、それはみなさんが答えをだしてくれてます。ありがとう!

きおしげさん から『10月16日のhpにじゅんこさんが書いてあったこと、なんかこころにちくって来ました。はじめは確かに行ってないところへ行ってみたいって 好奇心が大きかったんだけど、いつのまにかあまり日本人が行ってないところへ行くって言う、他人とは違うって優越感そんなものが大きくなっていたかもって思います。おれもあなたが嫌いな成り上がりバックパッカーのひとりかも。旅慣れてきて、チョット思い上がっていたかも。原点に戻んないとね。大切なものなくしちゃうよね。ありがとね。反省です。』というメールをいただきました!結構言いたいことバンバン書いたので、怒りのメールが来るかも〜(←結構小心者??)って思っていたのですが、きおしげさんみたいに、「ありがとう」と言われるのはめちゃくちゃ嬉しいです。私こそありがとう〜!

ただしさん からは、『はじめまして、私はアラブの事について勉強している者です。アラビア純子さんのホームページの写真のいくつかを学園祭に来る人たちに見せてもかまわないでしょうか?実は今度、学園祭でアラブの食について発表するのです。いくつかの資料を集めたのですが、アラビア純子さんの写真が気に入ったのです』とのメールをいただきました。アラブのことについて勉強している方へのご協力は惜しみませんです!どれでもいいから気に入ったものをお使いくださいませ〜!!それにしても、学園祭で私の写真・・・ちょっと恥ずかしいですけど、自分で今は見に行けないのが残念ですね。誰か学園祭で私の写真を見かけたぜぇ〜ってな方はご一報を!


前のがみたいよ〜ってな方は こっち