9月30日
私が行ってきたムゥディーヤっていう小さな町では、今、現在10人の日本人が日本政府の援助で水道をつくるプロジェクトを行っているんです。そのメンバーの一人がイエメンに来る前に私にメールをくれて、お互いイエメンに行くのでいつかお会いしましょう、インシャーアッラー!と言っていたのですが、その約束を果たすべくお会いしてきました。そこでは、水道がひかれていない村の為に道路の脇に水道管を埋めて、水道を作っていた。私はそこに4日ほどお世話になって、彼等の働きぶりを見学してきたんだけど、ここは、かなり暑いし湿気もある炎天下の中、イエメニを30人ほど雇っての朝から晩までの大作業。私なんかがプラプラ見学してて何だか悪いような気さえした。彼等は家を2軒借りてそこに住みながら仕事をしている。ぬわんと、1年半ぐらいの予定らしい。家にはイエメニコックが2人いて、素晴しい日本食を作ってくれる。私もずうずうしくも毎日のよ〜に、カレーとか天ぷらとかソバとかラーメンとかの日本食を食べちゃった〜。みなさん、お世話になりました〜!!
さて、早速、サナアっ子とアデンっ子の結婚の違いについての報告でもしましょ〜。
前にもちょっと話したけれど、サナアっ子は、結婚前には70%程の割合で結婚前に相手の顔は拝めない。親がそれは悪いことだからって会って見たいけれど、許してくれないから会えないってのが現実らしい。
そりゃ〜、やっぱりせめて一目だけでも会ってみたいよね〜。でも、高学歴の人なんかは、「お互い相手のことを知っておくべきだ」と言って事前に3〜4回ぐらいは話しあうらしい。しかし、それでもどっかでお茶でも〜っていうのも難しいので会うのはお互いの家で親同伴で会うらしい。何だかお見合いみたいな感じなのかなぁ。でも、友達は、家の外で会って、顔のベールを取ってもらって見たということだ。それってサナアじゃ結構革新的かもしれない。
しかし、アデンとなると話は全然違ってくるから面白い。知り合ったアデンっ子は、仕事先の家の娘さんが今の奥さん。いつも見かけていて、カワイイ子だなぁ〜〜って思っていて、あんまりカワイイので、その子のお父さんのところに結婚の申込みに行ったんだって。おとうさんには、「君は結婚してやっていけるだけのお金は持っているのか?」って聞かれたから、「仕事もしているし、お金はあります」って言って承諾してもらったらしい。だけど、普通のマハルの4倍のお金を払ったらしいから、相当イレこんでいたみたいで、今でも「ボクはワイフを愛しているんだ」って私に面と向かってノロけていた。このっこのっこのっ〜〜!こんなセリフをマジに言われると私まで照れちゃった。
それに結婚式のやり方も全然違うみたい。
サナアではトフィックの結婚でお伝えしたとおり、男女の同席はありえないけれど、アデンでは、男女一緒の部屋で踊まくりの披露宴が行われるし、サナアでは、女性が男性の家にいって結婚式をやるのだけど、
アデンでは、男性が女性の家に行ってお迎えでごんすとばかりに連れてきちゃうんだって。全くのあまりの違いに驚きました。そこでふと湧いた疑問が、サナアの男性とアデンの女性が結婚する場合にどちらのやり方に従うかっていうことって結構な問題らしい。結婚前に双方の家でどういうやり方でやるかをキチンと話し合っておかないと親戚が「ど〜してアデン方式でやるのよ〜」とか言ってかなりウルサイらしいっす。
1994年に南北が統一されたけれど、これだけの違いがあるとお互い理解しあうのって難しいのかもしれないなぁって思った。ドバイで出会ったパキスタン人のタクシーのおじさんが『イエメンは、南北が少し前まで別れていたから、北と南じゃあ、人間の質が違うんだよ。宗教やお金、仕事に対する考えかたに隔たりがあるんだ。日本だって、東京と田舎じゃあ、住む人の考えが違うだろ?それと同じことさ』って言っていたもんなぁ〜。
9月27日
お久しぶりぶりアラビア純子で〜す。お元気でしたかぁ??私は、学校が休みだったのでちょっくら旅行してきました〜〜!でも、今回は駆け足の旅はやめにして、のんびりゆっくりをモットーに旅してきました。帰ってきたらメールがどどど〜んと来ていたのでお返事遅れるかと思います。ごめんなさいです〜。
今回、行ったのはムゥディーヤっていう小さな町とアデン。アデンはとっても暑くて、涼しいサナアから来た私はビックリしてしまった。灼熱地獄ドバイを彷彿させるものがあったなぁ〜。
アデンは、イギリスの植民地になっていたため、街の雰囲気はかなり開放的な印象があるところである。教会もあるし、サナアみたいなカマリア窓がある家は少ない。その理由を尋ねてみると、そういう家はほとんどイギリス人によって壊されてしまったということだ。だから、サナアみたいな高層住宅は少なくて、比較的新しい建築のビルが多いし、家もせいぜい2〜3階ぐらいまでの高さしかない。それに女性もアバーヤは着ているしヒジャーブも被っているけれど、顔を隠すニカーブはつけていない人が多く、みんな顔を出して歩いているので私までおぉ!っといった感じで顔を覗き込んでしまうような状態だった。なにせ、サナアでは顔をだして歩いている人ってあまりいないから、顔をだして歩いているだけでじろじろ見られてしまうのだから。
アデンっ子と話をしてみるとあまりのサナアっ子との違いに驚いてしまった。
私が感じたアデンっ子とサナアっ子の違いを比較してみよう。
まず、驚いたのが、「アデンでは、顔のベールをしている女性はBad woman なのさ」という意見だった。どういう意味かと問うと、「つまり、遊びまくっている女性という意味さ」という事らしい。げげげ、アデンではベールをしている方が悪い印象を与えるらしい。でも、サナアでは、逆に顔のベールをしていない方が悪い印象を与えるのだから、全くど〜なってるんだろ??
それから、アデンにはサルタを食べれる店が一軒しかない。
「ボクはサナア人が嫌いなんだよ。だって、1週間に1度しかお風呂に入らないからバッドスメルなんだぜ。女の人だってそうなんだよ」ってなことを言い出した。「それって偏見なんじゃないの?どうしてバッドスメルなの?」と聞いてみると、「それは、ヘルバ(サルタ)を毎日喰っているからさ。だから、あの匂いが身体中からしみだすんだ」なんて言っていた。これはかなりの偏見だと思うけれど、アデンっ子はどうやらサナアっ子が嫌いらしい。だって、知り合った人ほとんどから、サナアとアデンのどっちがいいと思う?って必ず聞かれるんだもん。
それから驚いたのが「ボクはムスリムだけど、本当のムスリムじゃないんだ。偽ムスリムさ」って堂々と言ってのける人もいた。そんなことを聞いたのは今まで一度もなかった。どんなにお酒を飲もうが「オレはムスリムだ」って公言してはばからない人が多かったというのに。その人は、「ボクはクリスチャン、ブッデイストとかいろいろとまじっているんだ」と言う。ぬわに〜??そんなことを聞いたのは初めてだったので驚いて「どうして?」と聞いてみると、「だって、ボクはお酒も飲むし、ブタだって食べるんだ。あれ、美味しいよね」って言う。げげげ〜〜〜!!!お酒ならまだしも、ブタを食べるムスリムなんて私は今まで会ったことがなかった。だって、ムスリムにとっては、ブタと聞いただけで顔をしかめる人が多いし、漫画とかでは見たことあるけど、実際にブタってどういうものかも見たこともないし、全くといっていいほど知らない人も多い。それにブタって「汚いもの」って思い込んでいるから、ブタを食べるムスリムなんて私の方が信じられなかった。だから、「え〜〜???ブタを食べるムスリムなんて初めて聞いた」というと、「ボクは、前に中華料理のレストランでバイトをしていたことがあって、ブタを食べたけど、美味しかったよ。大好きさ」って言っていた。う〜〜む、私はあまりブタって好きじゃないから食べなくても全然平気だけど、あまりのサナアっ子との違いにただただ驚いてしまった。
さて、今日はこのくらいにして、次回はサナアっ子とアデンっ子の結婚感の違いについてお届けしますね〜!
9月17日
クラスメイトのリズがタイズに行ったとき、ぬわんと処刑現場をみてしまったと言っていた。といっても、処刑された後のさらしものになっている場面だったらしいけど。金曜日にタイズの広場で行われたらしい。処刑のやり方は地方によって異なる。タイズでは絞首刑、サナアでは銃殺である。そして、処刑された後もしばらくさらしものにされているのだ。
どうして彼等が処刑されたのかというと、3人の男がある男性を銃で脅し、お金をまきあげた挙句、その奥さんをレイプしたというのだ。イエメン人に尋ねると、処刑の現場を見るのは好きじゃないけど、こういう処刑は『ムンターズ!!(最高さ)』ってことになるらしい。なぜ、こういう発想になるのかと不思議に思う人もいるかもしれない。死刑なんて非人道的なこと、いかなる理由でもやってはイケナイって思う人もいるだろう。しかし、ムスリムにとっては、処刑された彼等が殺人のみならず、レイプまでしたのだから、処刑されて当然と思うのだ。なにせ、イスラーム社会を脅かすことをしでかしたのだから。それに処刑自体には、賛成というワケではないみたいだけど、こういう法律は素晴しいと思っている。なぜなら、こういう厳しい掟があれば、例えば、誰かを殺したいほど憎いと思っていても、『アイツが憎い、でも、待てよ、殺したいからって殺しちゃえば、オレは死刑にされてさらしものになっちまう』って常識のある人なら考えてしまう猶予が与えられるということだ。
それに、イエメン人に言わせると、『アメリカなんかは死刑を廃止しているから、平気で人を殺すよね。そういうのって「人ぐらい殺したって平気さ、だって、捕まったってどうせ終身刑どまりだから」っていうことなんじゃないの』って言う。でも、一方でムスリムは過激なこともしているじゃないかと言われるだろうけど、それは同じムスリムでも極、一部の過激派だけの話。一般人のムスリムはテロリストを毛嫌いしているし、怒ってもいるのだ。
アラブに行くっていうと、大抵、知らない人からは、『そんなとこ行ったら、殺されるんじゃね〜か?』とか『治安悪いんでしょ、気をつけてね』って何度も言われたけれど、実際に生活してみると、最低限のことを気をつけていれば、全然怖くなんかない。それもこれもこういう厳しい掟があるからなのかもしれないなぁ。
それに、盗みをした人も手を切られるというのは有名だし、前にもここでお話したことがあるけど、小さい盗み、例えば、リンゴと一個盗んだって程度なら見逃されるけれど、お金を盗んだり、銀行を襲撃したりというような盗みに対しては、はじめに右手を、それでもまだ盗みをした人は、左足、その次は左手、そして最後が右足ということだ。こういうことをされるのはイヤだから、大抵は盗みもしない。
だから、大抵はイエメン人を信じている生活しているのだが、今日は反省してしまうようなことがあった。屋台で売っているとうもろこし(一個20リヤル)が美味しそうだったので、とうもころしが大好きな私は思わず、屋台の兄ちゃんに、『コレ、一個ちょーだい』って言ったのだが、サイフからお金を取り出したら、イエメンのお札で一番大きなお札(500リヤル)しか持っていないのに気付いた。そういう屋台で買い物するには、大きなお札だとおつりがないので兄ちゃんも困っていた。そ〜したら、傍に立っていたおじさんが、いきなりそのお札をひょいと私の手から取って自分の胸のポケットにしまってしまった。げげげ、何でよぉ〜??って、お金を盗まれたと勘違いしてしまった。おじさんは、うんうんとうなずいてからおもむろに別のポケットから自分のお金を取り出して、換金してくれただけだったのに。とても悪いことをしてしまったような気がした。知らず知らずのうちに、疑ってしまった・・おじさん、ごめんね。外国では知らない人にはついていくなとか、お金に気をつけるとかという常識があるし、その見極めが大切だと思うけれど、それがなかなか難しいなぁって思った。少なくても私が接してきたイエメン人は、バカがつくほど、人がいい人が多かったのだから。
9月15日
お知らせで〜す、サウジアラビア編内容を少々変えて、書き換えてみましたので、興味のある方がぜひご覧になってみてくださいね〜!!私がどうしてアラブへの道へとはまっていったのかが判るかと思いま〜す。
さて、じゅんこ2のところから飛んできてくれた日本トルコ協会の健さんから励ましメールをいただきまして、お友達の日本アラブ協会の方やサウジ駐在の平野さんにも紹介していただきました〜。ホントにありがとうございました。とっても嬉しいです。
学校の先生のムハンマドは、なかなか頭の切れる人。イスラームの法律である『シャリーア』を卒業しているので、イスラームにも詳しい。彼は授業の合間にいろいろな話を聞かせてくれる。彼が結婚したのは、8年前で、彼は奥さんを親戚から選ばなかったということだ。どうして、親戚から選ばなかったのか?と尋ねると、「もし、親戚と結婚したら、夫婦間の小さい問題でもお互いの家にいって不満なんかを打ち明けたりすると、ややこしいことになって、それが親戚間だとさらにややこしくなって、大問題に発展しかねない。自分の周りでも親戚から結婚相手を選んで1年後に離婚というケースを何件もみてきたから」と言っていた。
ムハンマドは結局、お母さんの姉妹の娘の同級生と結婚したそうだ。サナアでは、結婚前に相手に会うことは「ムシ・クワイエス(そりゃ〜、よくないことだぁ)」とされているので、相手には直接会えなかったけれど、お母さんやお姉さんが将来のお嫁さんを家に呼んで会ったときに、こっそりとドアのすき間から覗いて見たんだって告白していた(なかなかカワイイとこあるよね)そして、今はとても幸せみたい。
アラブでは、一口に離婚と言っても、ニュアンスが日本とちょっと違う。
前にも書いた通り、イスラームでは離婚が3回までできるんだけど、1回目と2回目の離婚は、『タラーク・ラジュリー』と呼ばれる。これは口頭のみの離婚で、1回目は夫婦ケンカの延長みたいな感じであまり問題視されていない。2回目は半分ぐらい仲がこじれた状態でちょっとヤバイかなって感じらしい。口頭のみの離婚ってあまり実感として湧かないけれど、とにかく、1回目でも2回目でも、彼等は、「オレは離婚したんだよぉ〜」って落ち込んでいるのだ。え??リコンしたのぉ〜??それって子供とかどうすんの?って、日本の離婚の感覚にどうしてもなってしまって、よくよく聞いてみると、この1〜2回目の離婚だったりするからややこしい〜。でも、この場合は、お互いが折れれば、復活することは可能なんだよね。「帰ってきてくれよぉ〜」って奥さんの実家に迎えに行くケースが多いみたい。
そして、3回目のは『タラーク・バーイン』と呼ばれるもので、これは口頭のみじゃなくて、2人の男性か4人の女性の立会人のもとに、契約書をかわし、日本でいう離婚と同じようなもので、決定的な離婚になるのだ。イスラームでは、簡単に離婚してしまわないよ〜にと3回までの猶予を設けているのだ。アラブでは離婚が多いらしいし、離婚したことに対してあまり固執しないらしいけれど、やはりなるべくなら離婚は避ける方向にもっていくためのよく考えられた制度みたい。
そして面白いのが、離婚してしまってそれでもやっぱり、相手の事が好きだと思っても日本のように再婚はできないのだけど、もし、女性が離婚した後、他の男性と結婚してまた離婚した後なら、その女性と再婚は可能なのであ〜る!こういうケースは稀なんだけど、軽々しく離婚しないよ〜にといういましめみたいなもんらしいっす。
9月8日
いやはや、何かだ今週は宿題をたんまりと出されてひぃひぃ〜言っているアラビア純子です。今日も宿題があるんだけど、宿題そっちのけで、ど〜してもここに書きたかったので書いてます。
今日は、私にとってちょっと感動したことがありました。学校の授業で「コーランだけに使われる特別の言葉」を習ったんです。コーランを「読む」という単語なんだけど、これは『タラー』という言葉を使う。この単語は普通にread という意味の単語では表わさないのだ。つまり、本などを読むという単語は別にあって、コーランを読むという単語だけが特別に存在するってことを今日始めて知ったのだぁ!ホントに感動したなぁ。先生はど〜して私が一人で感激していたのか判らなかったみたいだけど。
コーランを読んでいるのを聞いたことがある人なら判ると思うけど、コーランってまるで歌をうたっているようなふしまわし。つまり、『読誦』なんです。なにせ、コーランのCDやテープが売られているぐらいなのだから。今までこういう単語が存在することを知らなかったので、今日は点と点がつながって線になったよ〜な気分で、文字どおりピッタリときたってな感じです。
友達のイナースが読んでくれたコーランはまるで歌をうたっているようだったし、今まで耳にしたことのあるコーランもそうだった。だけど、どうして普通に本を読むように棒読みをしないのかなぁって不思議だったのでホントに感激した一日でした。
コーランの話がでたついでに、『女性のサラート(お祈り)』についてもお話したいと思います。私にコーランを読んでくれたイナースのお家に招かれて遊びに行ったときのこと。その日は金曜日でアラブでは、日本の日曜日に当たるお休みの日。普段はサラートをしない人も、たいてい金曜日にはモスクに行ってサラートをする。しかし、女性はあまりモスクには足を運ばないようだ。女性はどこでサラートをするかというと、家の中でやることが多い。
イナース(15歳)と妹のサマル(13歳)とは、その日はダンスをしようってことになって、お昼を食べた後、早速アラブ音楽を大音響でかけて、ダンス大会が始まった。イナースもサマルもとても中学生とは思えないほどダンスが上手。私もダンスにはちょっぴり自信があったけど、彼女らには負けるなぁ。なにせ動きがかろやかで、かつ、リズムにうまくのっていて腰の動きや身体全体の動きが妙になまめかしくセクシーなダンスなのだ。きっと、アラブ人って先天的にダンスのセンスがあるに違いないって思う。いいかげんダンスしまくりで疲れたなぁって思っているともう日没。いきなりイナースは、
『ちょっと、私、マグリブのお祈りするから』って服をサラート用のだぶだぶした服に着替え、顔や手足を洗いに行ってしまった。部屋に戻ってくると、今度は頭に大きな布を巻き、サラート用のじゅうたんを敷いて、その上に立ち、一心不乱にお祈りを始めた。さっきまで踊り狂っていたイナースとは別人みたいだった。しばらくイナースのサラートを、へぇ〜、女性ってこうやってサラートするんだぁってぼぉっと見つめていると、サラートを終えたイナースがにっこりと微笑んで私に言った。
『サラートするとすぅ〜っと心が洗われたような気がして気分爽快になるの』と。
その言葉がとても印象的だった。
9月7日
今日も、この前の旅行の話の続きをしたいと思います。『Am I thirty アハマド君』に続いて、今回は、ぬわんと、あの『ガイドとハニー』にも再会できたんですよぉ〜。うれしかったなぁ。
旅行の最終日、お昼をコーカバンで食べる予定にしていた。どうやら、事前に仕入れた情報では、ガイド君は、おじさんが経営するホテルで働いているらしい。そのホテルを探し当て、ホテルの門をくぐると、そこには、トルコ人がかぶるような帽子を被って客を待っているガイド君の姿があった。私はガイドとハニーのその後の成長ぶりをぜひ、見たいと思っていたのである。
『お〜い、ガイド!!私だよ、じゅんこだよ、元気だったぁ??』
『わぁ〜、じゅんこぉ〜!また、イエメンに来たの?』
『うん、サナアに住んでいるんだよ、アラビア語を勉強してるの』
『へぇ〜、ボク、今でもちゃんと君に貰った小さい写真(プリクラ)持ってるんだよ。
お昼まだでしょ?ウチのホテルで食べていってよ』
ということで、早速、ガイドのおじさんが経営するホテルでお昼をいただくことにした。
ガイドは、今、15歳になっていて、去年は友達のハニーとつるんで観光客をからかっていたのに、やはりたった7カ月前のことなのに、ガイドも随分と大人っぽくなっていたのだ。Am I thirty アハマド君と違って、ガイドとハニーにはここにわざわざ会いにきたのだから会えたのは当然かもしれないけど、私にとってはすごく嬉しかった。小さい身体に、沢山の料理を載せた重そうなお盆を持って、忙しくお昼の準備に働いているガイドの姿がまぶしかった。ガイドも一緒にお昼を食べる輪に参加したのだが、去年のいたずらっ子みたいなガキっぽさは消えていて、大人っぽく変化していたのには驚いた。全く、イエメンの子供って成長が早いのかしらん・・・。
『ボクは、今年から働き始めたんだよ、ここのホテルで』
『うん、大人っぽくなったよねぇ〜』
『あ、ナキシュ(アラブ女性が手や足に黒い植物の染料で絵を描くおしゃれ)したんだ。ボクもワイフには、いつも手や足にナキシュでおしゃれしていて欲しいんだ』
『へぇ〜。カートなんかを奥さんがやるのってどう思う?』
『ボクは、ワイフがカートもマダァ(水たばこ)もやるのは、イヤだからやらない人がいいな』
『随分と厳しいダンナになりそうだね、ガイドは』
『君って20歳ぐらいでしょ?(え???)ボクは今、15歳だし、君みたいに細いし、今は背が低いけど、これから大きくなると思うし、きっと君の背丈に追い付くと思うから、ボクなんかどうかな?君のマハル(一種の婚約金)はいくらがいいの?それから、君はいままで男性とつきあったことがあるの?』
『げげ、マハル??つきあった男性〜〜???なんじゃそりゃ〜?』
『つきあったことがあるんだね・・・。君の目を見て判ったよ・・』などと、いきなり大人びたことを言いだす。
『ボクは、前に男の人とつきあったことがある女性は奥さんにしたくないなぁ。』
『やっぱり、そう思うんだね〜ガイドも。ところで、ハニーは元気?』
『うん、元気だよ。ハニーは今、家の仕事を手伝っていて稼ぎもいいんだよ。大工やっているんだ』
『へぇ〜、あのハニーが?金稼ぎがいいなんてすごいね〜』
『うん、ボクよりずっと稼いでるんだよ、これから会いに行く?』
『うん、行く、行く〜〜』
ということで、マハルの話とか、以前に男性とつきあったことがあるかどうかの話をそうそうに切り上げて(?)早速、ハニーにも会いにいくことにした。ハニーの家はすぐ近所なのだが、家にはハニーはいなかった。ハニーはどうやら、お昼のサラート(お祈り)にモスクに出かけてしまったらしい。そのモスクも近くにあるので、ハニーを探しにモスクまで行ってみた。モスクに行く途中で、サラート帰りのハニーに道端でバッタリと再会できたのだ!ハニーも一回り大きくなっていて、さすが金稼ぎがいいせいか、去年とは違った雰囲気を醸し出していた。ハニーもすぐ、私を思い出してくれて、3人で近くの貯水池まで行きお話した。
『ところでさ、ハニーってアラビックネームなの?どうもハニーって名前の略か、愛称じゃないかと思ったんだけど。』と前にここ「純子のお部屋」で話題に上った『ハニーは、愛称なのか、何かの略なのか、それともれっきとした名前なのか?』という疑問を思い出して、早速尋ねてみた。
『ハニーは僕の名前だよ、こう書くんだよ』って名前をアラビア語でノートに書いて貰ったところ、やっぱりハニーは、アラビックネームの一つで、れっきとした名前でしたよ!(さとみんさん!)
会いたかったガイドとハニーにまた会うことができて、ものすご〜く嬉しかった。彼等の成長ぶり、これからもたまに見に行こうと思います。
|