8月18日 さて、まりーのお話の続きをお伝えします。 今までのイエメンの全てのイイ印象をくつがえされたこの事件のせいで、このまま帰国してしまうなんてこと私としても納得がいかないし、もちろんまりーだって納得がいかないだろう。まりーとしては、何とかしてこの男を告発したい!これからイエメンに旅する女性の為にも!という気持ちだった。
そこで、ダメもとで(実際にいろいろな人に相談をもちかけてみたが、同情はしてくれるけれど、すぐにその場で警察に行かなかったから、too lateと言われるだけだったし、実際にその場で警察にまりーが一人で行ったところで、アラビア語ができないから、埒があかなかっただろう)、警察に直接行っても、たらい回しにされ、恐らく相手にされないだろうと判断し、旅行社をやっている私のイエメン人の友達に相談を持ちかけてみた。すると、彼は、エラク憤慨し、 「とにかく無事で良かったけれど、このままそういう男を野放しにはできない。自分も旅行に携わっている者として、責任があると思う。何とかしよう!いや、何とかしなければならない!!」と約束してくれた。 そこで、まりーと私とその友達は、 イエメンの全ての旅行社の総元締めである観光協会に直談判をすることにした。予め何が起こったかを文書にし、万端の準備をしておいた。そこの協会長はイエメンでもかなりエライ人らしい。そのオフィスに、いさんで出かけた。 最初はその人は「ど〜せ、証拠もないし、たいしたことじゃないだろう」という素振りであまり私たちを相手にしてくれないような素振りだった。
でも、まりーはその夜に帰国してしまうので、そろそろ空港に向かわなければならない。まりーには結果をすぐには伝えることができないので、その男を確実に逮捕できたかどうか、私に夜に知らせてくれると言う。 夜に電話の前で待機していた私の電話が鳴った。それはまさに副内務大臣からじきじきの電話だった。
彼は、「そのホテルの従業員の男を数人押さえているが、犯人と特定できる証拠がない。何か目印になるものとか知らないか?」と言う。
その後、その友達のオフィスにも副内務大臣から電話があり、その男を逮捕したとのことである。
日本に帰国したまりーに、この事を伝え、まりーも喜んでくれた。そして、
普通、こういう場合、世の男性は、女性の方にも落度があったからに違いないと考えるかもしれない。でも、まりーには、私も落度があったとは思えない。それに、これがイエメンだから起きたことだとも言えないだろう。
8月11日 今日は皆既日食ですね!イエメンでも見れるようだけど、イエメン人は、なにやら不吉に感じているようです。 それから、サナアのバーバルヤマンで先週、事件が起こりました。バーバルヤマンの広場で手りゅう弾投下、銃器乱射事件があり、死者は6人、負傷者は41人。
さて、イエメンに独り旅をする女性も最近はかなり増えてきたようだ。
友達のまりー が年末にイエメンに住む私のところに会いに来てくれた。二人でサユーン&シバームの旅を楽しみ、その後、私は学校の授業が始まったので、まりーは独りでホデイダを抜けコーハまで行き紅海を眺め、その後、タイズ、イッブ、ジブラなどを見て、サナアに戻る予定だった。 その独り旅の前には、アバーヤとヒジャーブを買いたいというまりーと一緒にお店へ行き、最新流行のアバーヤとヒジャーブを購入し、まりーは、その場でアバーヤとヒジャーブを被り、それにリュックを背負って独り旅へと出かけていった。その後ろ姿を見送った時にはこんな事件がまりーに起こるとは想像もしていなかった。 サナアに戻ってきたまりーと、また再会して食事をしたのだけど、まりーは何だか様子がオカシイ。どうしたの?と聞き出してみると、ぬわんと、ホデイダで、レイプされそうになったというのだ!! 驚いて詳しく事情を聞いてみると、その時期はラマダーンで、朝っぱらからはタクシーが捕まらないので、たまたま見かけた小さなホテルに入り、そこのフロントの兄ちゃんに 「タクシーが捕まらないからどうすればいい?」と尋ねた。その兄ちゃんは、「じゃあ、ココで待っていて」と、フロントの奥の部屋に案内してくれた。そこで待っていると、その兄ちゃんはその部屋にカギをかけ、イキナリ、まりーを襲ったのだ。やはりこういう場合男性の力は強い。が、まりーはかなり抵抗し、やっと難を逃れることができた。 しかし、痛々しいほどにまりーの手足には、いくつもの大きなアザができていた。抵抗した際にその男に噛まれたり、殴られたりしてできたアザの数々。それは生々しく紫色のげんこつぐらいの大きさのアザだ。不幸中の幸いで結局、レイプはされなかったけれど、この一件はまりーの心にトラウマとして深く残るだろう。折角、前にも訪れたイエメンを気に入ってまた来てくれたのに、と思うと私もいてもたってもいられなくなった。が、警察に行くにしても、日が経っているし、イスラームの法律では確か、レイプを証明するには、証人が4人必要なはずだ。全てが遅すぎた・・・・。 この話は長くなるので、次回、続きをお伝えしま〜す。 8月7日 ファリスの美人な奥さん(名前はふせておきます)は、結婚式の翌日に、「例の鮮血」を父親に見せたという。父親は、娘の鮮血(処女である証)をこの目で見ることを、手ぐすね引いて待っていたそうだ。 『アルハムド・リッラー!!!血がでて私も安心したわ。だって、父親がもし私が処女じゃなかったら、怒って私のこと破門にしかねないんだもん』 そんな彼女は、
『イエメニ女性は、結婚はやはり親戚から選ぶとかお見合いみたいな感じの結婚なので、そこには「愛」はあるけれど、私のような愛じゃないわ。奥さんはダンナさんから離婚されるのを恐れてもいる人だっている。もし、離婚したら、やっぱりバツ一は多いとは言え、もう結婚できないかもしれないし、結婚できたとしても再婚者との結婚だったり、その条件はかなり落ちるのよ。だからたいていのイエメン女性は離婚したがらないわ。たとえ、ダンナさんに浮気の気配があったとして、それを判っていても面と向かって、口に出して言う人は滅多にいない。
ファリスはいいオトコだし(実際イエメニにしては背が182cmもあるし、顔もハンサムで語学堪能、おまけに金持ちと絵に書いたよ〜な男性だ)、私は彼に女友達が沢山いるのだって知っているし、彼がもしかしたら遊んでいるのかもしれないっていうのも判るの。だっていい男だから女がほっておかないでしょ?でも、彼は私のことを愛しているし、私は別格だと自分でも思っているから、私たちの愛はその辺の人達の愛とは違うって言い切れるわ』
でも、面白いのは彼女はやっぱりイエメニだと思うのが、ファリスが帰ってきた時に彼女が家に居なかったら、ファリスはものすご〜い勢いで怒るのだ!
これはアラブ男性にいろいろ聞いてみたけれど、みんな『もし、自分が知らない間に妻が家にいなかったら怒るのは当然だ』と言う。これはおそらく、アラブ男性は嫉妬心が異常に強く、しかもその嫉妬をあからさまにすることもいとわないからだと思う。 そして、彼女はアラブでは一日の食事のメインの昼食をかいがいしく作る。
私は、イエメンに来て、イエメニ達の家庭に触れて、私自身も何かが変わったような気がする。
日本にいた頃は、家庭の大事さや恋人などはもちろん大事だけれど、それよりもまず自分自身が一番大事だったような気がする。
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