10月13日
イラン人と結婚されているひろみさんから
『「ベイブ」は私も夫もお気に入りで、彼の小さい妹に
見せる為、今年の日本のお正月に行った際ビデオテープを持っていったのですが、英語版(日本
語よりましかと思い)のためか、あんまり興味を引いてもらえませんでした。ブタと犬は、イスラム教徒の忌み嫌う動物と聞いていたのですが、ブタのぬいぐるみを大切そうに抱いている女の子を見かけたり、このごろテヘランでは、ペットの犬を飼うのが流行っていて、彼の妹も欲しがっているというのを聞いたりしているの
で、イランはそういう点で、周りの国々よりもあまりこだわらないのかもしれません。』というメールをいただきました。イランでは結構ブタは受け入れられているんですね!
それからムスリマさんからは『ベイブはざんねんんがらまだみていませんが、夫も私もみたい映画の1つです。まだみていませんが.........今は NO.2もでていますよね。
ぜひ2つとも買ってみてみたいです。でも夫は映画ぐらいでは豚に「ぎゃ」とは言いませんよ。でも確かに多くの人はいうでしょうが。あるテレビ番組で「豚は犬より賢い」と言ってました。そうかもしれません。
クゥエートの動物園にはなんと豚がいます(笑)。初めは2匹ぐらいだったのに今は子供が生まれて7匹くらいでしょうか?どうするんですかね、もしこれ以上増えたら..........豚の飼育小屋は園の端にあります』とのメールをいただきました!へぇ、クウェートには、動物園にブタがいるんですか〜。そりゃ、驚きだぁ!
さて、今日は、アラビア語のスラングについて語ってみたいで〜す。
アラビア語を勉強していても、普段口にするスラング的なものは、学校では教えてくれないし、誰かとおしゃべりしながら覚えていくもんだろう。それに日本語に訳すのには、微妙にニュアンスが違うこともある。
イエメンで面白いな〜って思ったスラングの数々(れっきとしたアラビア語もあるけど)を紹介したいと思う。
『バヒール』
これは「ケチ」って意味である。
アラブではケチってのは、日本で考えるよりもずっと悪い意味の言葉なのである。日本だったらケチは美徳って考えもあるだろうが、アラブではケチはすごく悪いことなのである。何でも相手を最も侮辱する言葉の一つらしい。
友達のサラームの奥さんのザイナブは、いつもダンナさん相手にこの言葉を口にしていた。
ザイナブ『ねぇねぇ、帰りに買い物していきたいからお金を頂戴よ』
サラーム(渋い顔をして)「う〜ん、余計なモノは買うなよ」と言いながら500リヤルだけ渡す。
ザイナブ『これだけ?これじゃあ、あまり買えないわ。全く、アナタは、バヒールなんだからぁ』ってな調子である。
これは、夫婦間のジョークみたいな調子で使われるからそんなに後には引かないが、もし、この言葉を『あそこの何々さんは、バヒールよね〜』なんてことを言われたら、そりゃあその人の評判は地に落ちたも同然ぐらいの言葉なのである。
『ヒマール』
これはもともとは「ロバ」って意味だが、「バカ」って意味で使われる。
例えば、車を運転していて前にいる車がヒドイ運転をしているとき『あいつは、ヒマールだ!!』という風に使われる。なぜにアラブではロバがバカって意味なのか判らない。だって、イエメンでは、ロバは一生懸命、文句も言わず(当り前か)働かされていて、重い水を積んだタンクを両脇につまされていたり、大きな荷物を積まされていたり、もちろん人の移動の為にも使われているのである。
あまりに働かされていても文句も言わないからバカなのかどうかは判らないけど、なぜにバカって意味で使われているか知りたいもんである(今度聞いてみようっと)。
どなたかご存じの方は教えてくださ〜い。
『カリーム』
これは「寛大な」って意味なのであるが、私は、日本語で「寛大な」って言うと、「心が広い人」って意味だと思っていたし、「この人はとてもカリームだ」と言うと、「あぁ、とっても心が広い人なんだなぁ」と思っていたのである。
ところが、どうやら、アラブ人にとっては、「カリーム」というのは、「お金に関して出し惜しみしない」とか「気前がいい」って意味で使われているようなのである。確かに英語の「GENEROUS」っていうのは「寛大な」という意味の他に「気前がいい」とか言う意味も含まれているが、日本語では同じようには使わないよね。
友達のファーリスの車にファーリスの奥さんも一緒に乗っていたとき、水を買うのを忘れたので車の中からお店の人に水を運んでもらった時のことである。水の代金を私が自分で買ったのだからと自分で払うと、奥さんが「ごめんね〜、ファーリスは今、お金持ってきてないの、本来なら、こういうときファーリスが出してくれるんだけど。だって、ファーリスは、カリームだから」と言ったのである。その時まで私はカリームというのは、日本語でいう「寛大な」って意味だとばっかり思っていたのでビックリしたのである。
もっとも驚いたスラングは『ハーディム』である。
これは、もともとはアラビア語では、「召使い」とかの意味であるが、イエメンではもっと悪い意味で使われている。イエメンにいるソマリア人などの物乞いをしている人とかを指してそう呼ぶのである。
「ハーディム」は、イエメンでは社会的に最も貧しい階級であり、人々が嫌がる職業に就いている人が多い。例えば、ゴミの運搬や下水の掃除などである。それに彼等は土地を所有しておらず、ある一定の場所に集まって住んでいるのである。サナアでも日本のホームレスたちが住むようなビニールハウスみたいな家を作り住んでいる地域があるのだ。そしてイエメン人は何か汚いものを見るかのような態度でハーディムを軽蔑して蔑んでもいる。
私はどうしてイエメン人達がそういう目で彼等を見るのか、これは差別じゃなかろうかと思ったので、あるとき聞いてみたことがある。するとイエメン人の答えはこうであった。「ハーディムは、アメリカ人のように皮膚の色が黒いからということで差別したり、嫌われているのではない。彼等は、いつも不潔な生活をしていて、清潔にするということを知らないし、例え、働いて稼いだとしても、すぐにお金を使ってしまって、いつもお金がないんだ。そういう安易な暮らしばかりしているから嫌われるのさ」
しかし、このハーディム達は、イエメンでは確かにかなり汚い格好をしているし、物乞いもしているが、朝早くからゴミ回収車に大勢乗って、ゴミを集めに来たり、道路をホウキで掃いて掃除をしているのを私は見たことがある。イエメンにもゴミ回収車がいたのか!と驚いた(イエメンでは、ゴミを集めてはいるが、それに追い付かないほど、みんながさらにゴミを捨てるので、知らなかったのである)とともに、こういう人達をバカにしちゃイケナイんじゃないかと思った。
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