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memo

メモ

薄暗いその部屋の中で、男は座っていた。

　男の前のテーブルには深紅のクロスがかけられ、皿が置かれている。

この薄汚れた暗さのなか、皿の白さはひときわ目をひく。

　男は間もなくナイフとフォークを手に持つと何もない皿の上で、

慣れた手つきを動かしはじめた。肉を食っているのだ。音もなく咀嚼する。

そして満足げな表情をうかべた。

　たえられない。怖ろしくなったわたしはその部屋を足早に立ち去った。

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