「[D・S
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あなたの作品は何かを語るものだと解釈される傾向があるのは、
人々が好んで芸術作品の中に物語を見いだそうとしており、同
時代の芸術が表現する物語にかなり飢えているためでしょう。
だから、あなたが描くような絵を見れば、物語を作り上げたい
という大きな誘惑にかられるのです。
ええ、きっとそうでしょう。
ジャコメッティの場合も、同じようなことが起こりました。彼
の人物像は実存的人間として解釈されがちでした。
ジャコメッティはそのことをどう思っていたのでしょう。
彼はばかばかしいと思っていました。自分は見たものをコピー
しているだけだと言っていました。
その通りです。
そうは言っても、彼は自分で見たものを単にコピーしていたわ
けではありません。ひとつには、見るという行為、とりわけ自
分を見つめている人を見つめ返すという行為にまつわるとても
複雑な感情を、作品という形で具現しました。あなたの絵が、
対象の姿かたち以外に何と関わっているのか、話してもらえま
せんか。
私の心理状態です。それは、ユーモアのある言い方をすれば、
うきうきする絶望とでもいう気分です。」
F・B=フランシス・ベイコン D・S=デイヴィット・シルベスター
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